EDの治療として代表的なのが、バイアグラやレビトラやシアリスといったED治療薬による服薬治療です。しかし、中には持病の治療で飲んでいる薬が、このようなED治療薬と併用禁忌で服薬によるED治療ができない方もいます。そのような場合に受けられるED治療が「ICI治療」です。こちらではICI治療について詳しく紹介していきますので、ED治療薬による治療を受けられないという方はチェックしてみて下さい。

ICI治療はどんな治療法?

1 治療の概要

ICI治療とは、プロスタングランディンE1という勃起を誘発する製剤を、直接海綿体に注射するという治療方法です。ED治療薬は、体内にある勃起を阻害する作用のある酵素の働きを弱めることによって勃起を促しますので、性的な興奮や刺激を受けないと勃起に至りません。しかし、ICI治療は海綿体に血液が流れ込むのを促進するので、性的な刺激や興奮を受けなくても勃起状態を作り出すことができます。治療を受けた患者の実に98パーセントが効果を実感しているという点や、心因性のEDなどにも効果が高いという点、そして副作用が少ないことから、先進国を中心に急速に普及しているED治療です。

2 効果が出るまでの時間と持続時間

注射をしてからおよそ5~10分ほどで効果が出始め、30分を経過したあたりに効果が最大になります。効果の持続時間は2~3時間程度ですので、治療後にすぐホテルへ直行するホテル直行法が用いられることもあります。性行為の前にいちいちクリニックに行って注射を受けなければならないということを億劫に感じる方は、自分で打てる注射を渡してくれるクリニックで治療を受けるとよいでしょう。ペニスに自分で注射を行なうのは恐怖感や抵抗があるという方もいますが、針の細さは0.3ミリほどですのでほとんど痛みを感じることもなく、初診の際に医師から注射のやり方を教えてもらうことができるので、慣れてしまうと問題なく自身で行なうことができます。

3 勃起力向上以外のメリットとは?

ICI治療の特徴としてあげられるのが、性的な刺激や興奮がなくても勃起可能という点です。夫婦生活のマンネリによって性欲が減退しているケースでも効果を得られます。また、ED治療薬とは異なり、陰茎に流れ込む血液の量を増やし強制的に勃起状態をつくりだすので、感度が鈍くなります。そのため、挿入してから射精に至るまでの持続時間が長くなり、早漏で悩んでいる方にとっても嬉しい効果があります。また、射精をした後も、薬の効果が切れるまでは勃起状態が継続しますので、このような特徴も早漏の男性に喜ばれています。

ED治療薬が飲めない・効果が期待できないケースとは?

ICI治療はED治療薬を服用することができない患者でも行なうことができる治療方法なので、ED治療の最後の砦とも言われています。では、どのような人だとED治療薬を飲むことができないのでしょうか。

1 持病がある・薬を飲んでいる

持病がある方の中には、ED治療薬を服用できないケースも少なくありません。高血圧症や高脂血症などが原因の動脈硬化や、糖尿病、高血圧などの生活習慣病が原因でED治療薬が服用できないケースもあります。また、不整脈や心臓病を持っている場合にも飲めないことがありますので、持病が原因でED治療薬による服薬治療ができない方はICI治療を検討してみましょう。また、硝酸剤などの薬はED治療薬と併用することができませんので、そのような場合もICI治療が推奨されます。

2 性的刺激に反応しない場合

男性器が性的な刺激を受けても反応しない場合は、性器周辺の神経や血管に問題がある可能性があります。外科手術をおこなった後遺症などで神経障害が起きることもありますが、そのような場合はED治療薬を服用しても効果を得ることができませんので、ICI治療による治療が最適と言えるでしょう。

副作用3 心因性のED

社会的な責任が増してくる30~40代の男性は、プレッシャーによるストレスでEDの症状が現われることがあります。このような心因性のEDはバイアグラやシアリスといったED治療薬では改善できないことが多いです。しかし、ICI治療であればこのような心因性のEDの症状も改善することができます。また、夫婦生活がマンネリ化したり、パートナーに性的な魅力を感じなくなったりして勃起しないといったEDも心因性のEDとなりますので、ICI治療で改善することができます。

ICI治療の注意点

ICI治療は日本では認可が下りていない治療方法ですので、まだ導入しているクリニックはそれほど多くありません。海外では広く行なわれているED治療法ですので治療実績は十分あり、安心して行なえる治療ですが自己責任で治療に取り組む必要があります。また、ICI治療の平均価格は1回につき1万円ほどかかります。ED治療薬は1錠1,500円~2,000円ほどが相場となっていますので、ED治療よりは経済的な負担が大きい治療といえるでしょう。治療を継続していくためには、予算をどれくらい用意できるのかなどの準備や計画性も必要となります。

ICI治療の副作用

ICI治療は比較的副作用の少ない治療方法ですが、全く副作用が無いというわけではありません。どのような副作用があるのかを予め把握してから治療を行うことが大切です。

副作用1 陰茎痛

ICI治療の典型的な副作用で、男性器に疼くような痛みを感じることがあります。治療を受けた8~24%の方がこのような陰茎痛の副作用を感じるとのことです。

副作用2 持続勃起症

注射をしてから4時間以上経過しても勃起状態が継続している場合は、持続勃起症の可能性があります。放置していると、海綿体が障害をきたす可能性もありますので、勃起が長く続いている場合はクリニックで診察を受けましょう。

副作用3 不整脈

不整脈の副作用がみられる場合もありますが、時間の経過と共に治まることがほとんどで、重篤な健康被害を引き起こすことはほとんどないため、過剰に心配する必要はありません。長引く場合やどうしても気になる場合は医師に相談しましょう。

ICI治療Q&A

Q,痛みはありますか?

A、陰茎に直接注射をするので、痛みを気にする人が多いですが、針が0.3ミリほどと非常に細く、痛みはほとんどありません。1回目は医師が注射をしてくれますが、2回目以降は患者自身が注射をすることが多いほど、痛みが少なく安全です。

Q,心臓病でも治療を受けられますか?

A、心臓に疾患を持っている方でも、基本的にはICI治療を受けることができます。ただし、症状は人それぞれで医師の判断もありますので、まずはクリニックで相談してみましょう。

Q、心因性のEDにも効果がある?

性的な刺激がなくても勃起することができるというのが、ICI治療の大きな特徴となっています。その為、心因性のEDにも効果がみられますので、カウンセリングによるED治療に効果がみられない場合などは試してみてもよいでしょう。

薬を服用できない人はICI治療を行なうのも一つの方法(まとめ)

薬によるED治療ができない方にとって、ICI治療は救世主的なED治療法と言えるでしょう。安全性が高く先進諸国で普及が進んでいる一方で、日本ではまだ認可が下りておらず、治療を行っているクリニックの数は少なく、自己責任で治療に取り組まなければならないという現状があります。しかし、今後日本でもICI治療が普及していることが予想されますので、現在ED治療薬による治療が受けられないという方は、ICI治療を選択肢の一つとして考えておくのもよいでしょう。