ご存じの通り、バイアグラは男性のED(勃起不全)を治療するための医療品です。日本でも多くの男性が愛用していますが、女性がバイアグラを服用することはできるのでしょうか?

薬を飲む女性

女性の性欲向上の効果

バイアグラは、一般には男性器の勃起を促進するための医薬品と理解されています。その勃起補助薬を女性が飲んでも、特に効能はないだろうと思う人も多いことでしょう。しかし、いくつかの臨床実験の結果、バイアグラの服用は女性の性体験にも有効な効果があるという結果が報告されているのです。
バイアグラは、血管を拡張することによって男性器へ流れ込む血流量を増大し、結果的に勃起を補助しています。この血管の拡張効果は、男性だけでなく女性の場合でも同じです。つまり、女性がバイアグラを服用すると、男性同様に全身の血流量が多くなり、血行が良くなります。当然ながら女性器周辺の血流量も上昇し、女性器が敏感になることになるのです。女性器が敏感になることで、膣内が濡れやすくなり、性的興奮が増大され、オーガズムを得られやすくなるという実験結果も得られています。
バイアグラの製造元は、バイアグラの女性への効果については「未確認」としていますが、さまざまな臨床実験の結果は女性にも性欲向上の効果があることを示しています。

女性の不感症の改善

バイアグラの効能は、女性の不感症の改善にも有効であるという意見もあります。

性行為に対して興奮を覚えることのできない不感症の女性は、20代から40代で半数にものぼると言われています。不感症であること自体、生活に支障はないでしょうが、性行為に対して嫌悪感を覚えたり、パートナーとの人間関係に影響を与えたりするかもしれません。

不感症を放置しておくと、不妊症の原因になるとも考えられています。女性の不感症は、性に対する心理的な不快感や膣が濡れないことによる性行為中の痛みなど、精神的な理由で引き起こされていることが多いといわれている症状です。バイアグラの服用により、女性器周辺の血流量を増加させて肉体的な快感を得られやすくすれば、それにより性的な関心は精神面から肉体面へ移行することになり、結果的に女性の不感症を改善する一助になる可能性があるといえます。オーガズムが得られにくい障害の場合でも、バイアグラの服用により快感を得ることができるようになれば、性行為に対する嫌悪感がなくなることも考えられます。

アンチエイジングの効果も

女性
バイアグラは、そもそも勃起不全の治療薬として開発されたわけではありません。別の目的の医薬品開発中に、たまたまED治療につながる効果が発見されて、その後に商品化された経緯があります。つまり、バイアグラはED治療だけではなく、別の効能を隠し持っている可能性も否定できないのです。
日本では、バイアグラが老化防止の効果を持っているという医学論文まで発表されています。老化現象の原因の一つとされている酸化ストレスが、バイアグラを常用することによって下がるというのです。また、バイアグラの常用は男性ホルモンの分泌も促進しますが、最近の研究では女性に対しても男性ホルモンの分泌は老化防止の効果があると報告されています。今現在もバイアグラの効果については研究が続いている状態ですが、基本的に血管を拡張する作用のあるバイアグラは、血管の老化を遅らせる効果があるのではないかとも推測できます。
さらに、血管を広げ、血流を良くする作用は、人間の体にさまざまな恩恵をもたらします。血管が柔らかくなることで心肺機能を向上させることにもなりますし、血流の増加は糖尿病や高血圧の改善にも効果を持ちます。また、血管が若返ることで体内の活性酸素を取り除くことができ、老化の進行を食い止めることができるのです。
バイアグラを服用することで、結果として体内の若返りを促進するアンチエイジングの効果も期待できるというわけです。海外の研究では、バイアグラが重い生理痛を緩和する効果もあるとの結果も報告されています。まだ十分な臨床実験は行われていないようですが、研究が進むにつれてバイアグラの効果の範囲はもっと広まってくるかもしれません。

利用の相談はクリニックへ

一般的に男性用の薬と思われているバイアグラですが、ご紹介したように女性に対してもさまざまな効果を発揮します。性的な効果だけではなく、アンチエイジングや生活習慣病に対する効果など、多くの可能性を秘めた医薬品です。

ただし、日本ではバイアグラはあくまでも男性用のED治療薬として販売されています。女性が服用する場合は適応外服用となりますので、まずはクリニックへの相談が必要です。現在では女性用のバイアグラも販売されていますので、クリニックで利用目的などを伝え、適切な薬を処方してもらいましょう。