2019.06.27
コラム

タイミング療法の開始で陥りがちな「タイミングED」とは?

タイミング療法の開始で陥りがちな「タイミングED」とは?

不妊治療の初期段階では、排卵日を狙って性交する「タイミング療法」を行うのが一般的です。しかし、タイミング療法を開始すると、男性がED(勃起障害)になってしまうケースが多くみられます。そうしたタイミング療法によって発症するEDは、俗に「タイミングED」と呼ばれます。

タイミングEDは珍しい症状ではなく、不妊治療を行う多くの男性に起こる症状です。
タイミングEDの症状が起こったら、「恥ずかしい」と思わずに、夫婦でよく話し合ったりED治療専門のクリニックを受診したりするなどの対策を行いましょう。

今回は、タイミングEDの原因や対策について解説します。
妊活中の人や、排卵日の性交がうまくいかない人は、是非参考にしてみてください。

タイミングEDとは?

タイミングEDは、不妊治療でタイミング療法を始めることで起こるEDの症状です。
タイミング療法は、妊娠する確率の高いとされる「排卵日」にタイミングを合わせてセックスをする不妊治療の方法です。
タイミング療法は不妊治療の第一段階として一般的に行われていますが、このタイミング療法自体がEDを引き起こすケースが多くみられます。

タイミングEDは珍しいものではない

タイミングEDは一般的にはあまり知られていませんが、妊活を行っている男性の多くにみられる症状です。
タイミング療法を行っているカップルを対象とした調査を行ったところ、約36%の男性にEDの症状がみられたという報告があります。また、不妊治療を行っている40%-50%の男性にタイミングEDの症状がみられるとする報告もあります。

タイミングEDは、妊活を行っているすべての男性に起こりうる症状です。EDの症状が起こっても「恥ずかしい」などと思わずに、夫婦の話し合いやED治療専門クリニックの受診などの対策を行うようにしましょう。

タイミングEDの原因

EDには、心理的・精神的理由によって発症する「心因性ED」と、身体の異常によって発症する「器質性ED」などがあります。

タイミングEDは、主にストレスやプレッシャーが原因で起こる心因性EDと考えられています。ただし、生活習慣病などの身体の異常がEDの症状を悪化させているケースも多いです。

ストレスやプレッシャー

タイミングEDの主な原因は、セックスに関する「ストレス」や「プレッシャー」です。

タイミング療法は男性のストレスを高めてしまう

妊活でタイミング療法を行う際には、基礎体温や排卵日チェッカーで排卵日を調べて、その日を狙ってセックスをします。しかし、排卵日を伝えられると、男性は「その日にセックスしなければいけない」という強いプレッシャーを感じてしまいます。

また、日付を指定されることでセックスに義務感が生じます。義務感が生じると、セックスにストレスを感じたり、やる気がなくなったりする男性が多いです。

タイミング療法を行う際に、「カレンダーに排卵日のマークを付ける」「排卵日に早く帰ってくるようしつこく求める」「精力がつきそうな食事を出す」などを行う女性が多いですが、そうした女性の行動は男性へのプレッシャーを高めてしまいます。その結果、タイミングEDが起こりやすくなります。

ストレスを感じると勃起しにくくなる

男性器の勃起は、男性器に血液が流れ込むことによって起こります。しかし、ストレスを感じていると、血管が収縮して勃起が起こりにくくなります。
またストレスを感じていると、性的な刺激を受けても脳が十分に興奮しなくなってしまいます。その結果、脳の興奮が男性器に伝達されず、EDの症状が起こります。

タイミングEDを防ぐためには、セックスに関するストレスやプレッシャーを軽減することが何より重要です。

生活習慣病などの身体の異常

ストレスなどの心理的・精神的な原因だけでEDが発症するケースはあまり多くありません。心理的・精神的な原因と、何らかの身体の異常が組み合わさってEDを発症している患者が多いことが、ED患者の傾向から報告されています。
EDの原因となる身体の異常には、以下のようなものがあります。

・生活習慣病
・肥満
・ホルモンバランスの乱れ
・事故や怪我による神経の損傷

糖尿病・高血圧などの生活習慣病や肥満になると、血液の流れが悪化して男性器が勃起しにくくなります。また、ホルモンバランスが乱れて男性ホルモンの分泌量が減少すると、性欲が減退してしまいます。

生活習慣病・肥満・ホルモンバランスの乱れは、食生活や生活習慣の見直しによって予防・改善することができます。食生活や生活習慣を見直して身体の異常が改善されれば、男性器の機能が回復してEDの症状が起こりにくくなります。

疲労や睡眠不足

疲労が蓄積していたり、睡眠不足の状態だったりすると、男性器の機能が低下してEDの症状が起こりやすくなります。

排卵日は調整できないため、平日になることが多いですが、仕事で疲れている平日にセックスをするのが難しいケースもあるでしょう。そうした状態で無理にセックスをした結果、ストレスが増してタイミングEDの症状が悪化してしまうケースがよくあります。

タイミングEDの対策
EDの症状の多くは、治療や改善が可能といわれています。
排卵日のセックスがうまくいかず、タイミングEDの症状がみられたら、以下の対策を試してみましょう。

夫婦で改善方法について話し合う

セックスは夫婦の共同作業です。タイミングEDは、夫婦の関係性や妻からのプレッシャーが原因で発症するケースが多く、改善のためには夫婦の話し合いが欠かせません。
その際には、互いを責めたりしないように、相手を思いやりながら改善方法を話し合うことが大切です。

女性は自分で排卵日を調べるため、男性に比べて「この日しかない!」という気持ちが強いです。そのため、排卵日にセックスするよう強く求めてしまいます。しかし、そうした要求は男性にとって強いプレッシャーになり、タイミングEDの原因になります。

タイミングEDを改善するためには、そうした男性の気持ちを女性に理解してもらうことが大切です。妊娠可能な期間は限られていますが、焦って行為を強く求めた結果タイミングEDになってしまっては本末転倒です。

ED治療専門のクリニックを受診する

EDの改善方法で最も効果的なのが、ED治療専門のクリニックを受診して医師の治療を受けることです。
EDで医療機関を受診することを「恥ずかしい」と考える人も多いですが、タイミングEDは多くの人に起こる症状であり、珍しいものではありません。

子作りできる期間は限られています。また、EDはなるべく早く治療を始めたほうが改善しやすいです。タイミングEDの症状がみられたら、早めに医師に相談することをおすすめします。
不妊治療で医療機関を受診している場合は、担当の医師に相談するとよいでしょう。

プロのカウンセリングを受けられる

タイミングEDは、精神的・心理的要因が原因で起こる「心因性ED」の一種です。
心因性EDは、カウンセリングが治療に役立つケースが多いです。ED治療専門のクリニックを受診すれば、プロのカウンセンリングを受けることができます。

タイミングEDは、妻からのプレッシャーなどの夫婦の関係性が原因で発症することが多いです。そのため、夫婦一緒にカウンセリングを受ける場合もあります。
気持ちがすれ違って夫婦二人での話し合いがうまく行えなくても、一緒にカウンセリングを受けることで改善策がみつかるケースもあります。

ED治療薬の処方を受けられる

専門のクリニックを受診すれば、ED治療薬の処方を受けられます。
薬を使用することに抵抗がある人もいるかもしれませんが、ED治療薬には依存性・習慣性がなく、生まれてくる子供に影響が及ぶこともありません。そのため、安心して利用することができます。
ED治療薬を使ってセックスに成功すると、それが自信になって、薬なしでセックスできるようになるケースも多いです。

セックスの頻度や方法を見直す

セックスの頻度や方法の見直しも、タイミングEDの改善には効果的です。

セックスを排卵日に限定しない

タイミング療法を開始すると、セックスを排卵日付近に限定しがちです。しかし、そうするとセックスの作業感が増してしまい、タイミングEDが起こりやすくなります。
また、男性器の機能は、定期的に射精しないと衰えてしまいます。

海外の不妊治療のガイドラインの中には、「1日おきのセックス」が推奨されているものもあります。排卵日に関わらず行為し、夫婦で楽しみながらセックスの頻度を高めましょう。そうすることでセックスの義務感やストレスが軽減され、タイミングEDが起こりにくくなります。

排卵日を狙ってセックスするのをやめる

不妊治療を行っている医師の中には、「排卵日のセックスを避ける」ようアドバイスする人もいます。

タイミングEDの主な原因は、排卵日のセックスに関するストレスです。排卵日を狙わず、時間と体力に余裕のある週末などにセックスすることで、ストレスが軽減されてEDの症状が改善する場合があります。
EDの症状が改善したら、他の日にもセックスしながら、排卵日の行為を再開しましょう。

食生活や生活習慣を見直す

生活習慣病や肥満、ホルモンバランスの乱れなどの身体の不調は、タイミングEDの発症リスクを高めます。食生活や生活習慣を見直して身体の不調を改善すれば、タイミングEDが起こりにくくなります。

生活習慣病や肥満を防ぐためには、バランスの良い食事を心がけることが大切です。特に糖分・脂質・塩分の摂り過ぎに注意しましょう。
また、適度な運動を継続すると、血行が良くなって男性器の機能が向上します。

夫婦で協力してタイミングEDを克服

タイミングEDは、排卵日のセックスに対して男性がストレスやプレッシャーを感じることで発症します。セックスはカップルの共同作業であり、タイミングEDを予防・改善するためには夫婦の協力が欠かせません。

タイミングEDは、多くの男性に発症する一般的な症状です。排卵日のセックスがうまくいかない場合は、恥ずかしいと思わずに、改善策について夫婦でしっかりと話し合いましょう。
また、ED治療専門のクリニックを受診することで、症状が改善するケースが多いです。

夫婦の仲を良好に保ち、子供を授かるためにも、タイミングEDの症状がみられたら早めに対策することをおすすめします。

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